「ポリエステルのコートって、自宅で洗えるのかな…?」
冬のアウターを洗濯したいけれど、「クリーニングに出すしかない」と思っている人は多いはず。ですが、ポリエステル素材のコートは実は自宅でも洗えるケースが多いのです。
ただし、やり方を間違えると「型崩れ」「シワ」「臭い残り」などのトラブルになることも…。
この記事では、以下の内容を詳しく解説します👇
- ポリエステル素材の特徴と注意点
- 洗濯前にやっておきたいチェックポイント
- 手洗い・洗濯機での具体的な洗い方
- アイロン・スチームなどの仕上げテク
- クリーニングと自宅洗いの使い分けのコツ
「お気に入りのコートを長くキレイに保ちたい」という人ほど、正しい洗濯方法を知っておくことが大切です。
初心者でも失敗しない、ポリエステルコートの洗い方をわかりやすく解説します!
ポリエステルのコートは洗える?素材の特徴と注意点
ポリエステル素材の特徴とメリット
ポリエステルは、現在もっとも広く使われている合成繊維のひとつです。コートに使われる素材としても人気が高く、その最大の特徴は丈夫で型崩れしにくく、速乾性が高いこと。また、シワになりにくいため日常使いしやすく、自宅での洗濯にも比較的向いている素材といえます。
天然繊維に比べて軽く、保温性や通気性にも優れているため、秋冬シーズンのアウターとして最適。さらに、色落ちや縮みに強いため、コートであっても丁寧に扱えば長く愛用することができます。
ただし、完全に万能な素材というわけではありません。静電気が発生しやすい、熱に弱い、臭いがこもりやすいといったデメリットもあります。特に洗濯時には水温・脱水時間・乾燥方法に注意することが重要です。
洗える素材かどうかの見分け方
ポリエステル素材のコートであっても、すべてが自宅で洗えるとは限りません。見分け方の基本は「洗濯表示マーク」。タグに描かれた洗濯表示を確認することで、自宅での洗濯が可能かどうかを簡単に判断できます。
- 洗濯桶のマークがある → 自宅洗いOK
- 手洗いマーク → 手洗いで優しく洗えばOK
- バツ印 → 自宅での洗濯は避け、クリーニングへ
また、裏地があるタイプ、ダウンや中綿入り、飾りやボタンが多いデザインは、自宅洗濯に不向きな場合があります。特に厚手のロングコートは、水分を含むと重くなり乾きにくいため、洗濯方法を慎重に選ぶ必要があります。
タグが見づらい場合や消えてしまっている場合は、素材表示の「ポリエステル100%」や「ポリエステル混紡」の有無を確認し、さらに目立たない場所で水を含ませて変化がないかテストしておくと安心です。
自宅で洗うときに注意すべきこと
ポリエステルのコートを自宅で洗うときの最大の注意点は、型崩れとシワ、そして臭い残り。これらはちょっとした扱い方で防ぐことができます。
- 洗濯前にブラッシングしてホコリを落とす
- 襟や袖口などの汚れがひどい部分は部分洗いしておく
- 洗濯機を使う場合はネットに入れる
- 脱水は短時間、乾燥機は使用しない
- 干すときはハンガーを使い形を整える
これらの基本を押さえることで、ポリエステル素材特有のシワや型崩れを最小限に抑えられます。特に脱水と乾燥は仕上がりに大きく影響するため、丁寧な扱いが重要です。
洗濯前の準備とチェックポイント
洗濯表示マークの確認方法
洗濯表示マークは、コートを洗う前に必ず確認すべき情報です。ここには素材ごとの適切な洗い方や、手洗い・洗濯機・ドライクリーニングなどの対応可否が明記されています。
「手洗い可」のマークがあれば、優しく押し洗いすれば自宅での洗濯も可能。「水洗い不可」の場合は、無理をせずクリーニングに出すのが安心です。また、水温指定のマークがある場合は、その温度を守ることも重要。高温で洗うとポリエステルが変形する恐れがあります。
さらに、アイロンやタンブラー乾燥の可否もチェックしておくと、洗濯後の仕上げがスムーズになります。
襟・袖口・脇など汚れが溜まりやすい部分
コートの中でも特に汚れが目立ちやすいのが、襟・袖口・脇部分です。これらは汗や皮脂、化粧品、整髪料などの汚れが溜まりやすく、放置すると黄ばみや臭いの原因になります。
洗濯前に、この部分を中性洗剤やおしゃれ着洗剤で軽くもみ洗いしておくことで、洗濯全体の仕上がりが大きく変わります。ウタマロ石けんのような部分洗い専用の洗剤を使うのも効果的です。
ブラシでゴシゴシこすらず、やさしく押し洗いするのがポイント。強くこすると生地が傷んだり、テカリが出ることもあるため注意しましょう。
ボタン・ファスナー・装飾の保護
ポリエステルコートには、ボタンやファスナー、ベルト、装飾などが付いていることも多く、これらは洗濯時に引っかかりやすいパーツです。洗濯時の破損や生地の傷みを防ぐためにも、事前にしっかり保護する必要があります。
- ボタンやファスナーはすべて閉じる
- ベルトは外す、もしくはまとめて縛る
- 洗濯ネットに入れて摩擦を軽減する
このひと手間で、装飾が壊れるリスクを防ぎ、コート本体へのダメージも最小限に抑えることができます。特に長く愛用したいお気に入りのコートほど、この準備は重要です。
手洗いで洗うときの正しい手順
用意するものと洗剤の選び方
ポリエステルのコートを手洗いする場合、まずは道具と洗剤の準備がとても大切です。洗濯機よりも手洗いのほうがやさしく洗えるため、型崩れやダメージを防ぎながら汚れをしっかり落とすことができます。
基本的に用意するものは以下のとおりです:
- 洗面器またはバケツ(大きめ推奨)
- 中性洗剤またはおしゃれ着用洗剤
- ぬるま湯(30℃前後)
- ゴム手袋(手荒れ防止のため)
- バスタオル(脱水補助用)
洗剤は、ポリエステル素材を傷めない中性タイプがおすすめです。弱アルカリ性や漂白剤入りの洗剤は生地に負担をかけることがあるため避けましょう。柔軟剤を少量加えることで、静電気防止効果も期待できます。
洗剤をなじませて押し洗いする方法
手洗いでは、「こすり洗い」ではなく押し洗いが基本です。まず、洗面器にぬるま湯を入れ、洗剤を規定量溶かします。コート全体を軽く沈め、両手でやさしく押したり離したりして洗剤を繊維の奥になじませます。
特に汚れが気になる襟元や袖口は、部分的に軽くもみ洗いします。このとき、強くこすらないように注意してください。摩擦はシワやテカリ、毛羽立ちの原因になります。
10〜15分程度を目安に洗うと、表面のホコリや皮脂汚れがしっかり落ちます。洗い終わったら、すすぎの工程に移ります。
すすぎと脱水のコツ
洗剤が残っていると、乾いたときに臭いやゴワつきの原因になるため、すすぎは丁寧に行うのがポイントです。きれいなぬるま湯に入れ替え、同じようにやさしく押し洗いするようにすすぎます。
2〜3回すすいで水が透明になったら、脱水工程です。脱水は洗濯機ではなく、バスタオルで包んで水分を吸い取る方法が最適。
コート全体をタオルに包み、軽く押して水気を移します。絞ったりひねったりすると型崩れの原因になるため、押すだけで十分です。
自然乾燥とシワ対策
脱水後は、風通しのよい日陰で自然乾燥させます。ポリエステルは速乾性が高いので、1日あればしっかり乾くことが多いです。
乾かすときは必ずハンガーにかけて形を整えるのがポイント。平干しよりもハンガー干しのほうがシワがつきにくく、型崩れも防げます。
肩幅に合ったハンガーを使い、襟や袖のラインを手で整えることで仕上がりがきれいになります。乾燥機は熱でポリエステルが変形する恐れがあるため、使わないようにしましょう。
仕上げに軽くスチームを当てると、より美しい仕上がりになります。
洗濯機で洗うときの注意点とコツ
ネットに入れる理由とやり方
洗濯機でポリエステルコートを洗う場合は、必ず洗濯ネットに入れるのが鉄則です。ネットに入れることで、脱水時の回転による型崩れやボタン・ファスナーの引っかかりを防ぐことができます。
コートをたたんでネットに入れる際は、袖を内側に折りたたむようにコンパクトにしましょう。ネットはぴったりサイズよりも少し余裕のあるものを選ぶと、洗剤と水がしっかり行き渡りやすくなります。
また、ネットのファスナー部分は内側に折り込むと、他の洗濯物を傷つける心配もありません。
おしゃれ着コースの使い方
洗濯機で洗うときは、通常コースではなく「おしゃれ着コース」または「ドライコース」を選ぶのが基本です。これらのコースは回転がやさしく、脱水時間も短いため、コートの生地や形を守りながら洗うことができます。
水温は30℃以下が理想。熱いお湯はポリエステルを変形させる恐れがあるため避けましょう。また、洗剤も手洗いと同じく中性洗剤を使用します。漂白剤入り洗剤や柔軟剤の入れすぎは、逆に臭いやベタつきの原因になるため注意が必要です。
脱水時間と回数の目安
ポリエステル素材は速乾性が高いため、脱水は短時間で十分です。目安としては30秒〜1分程度、長くても2分以内にとどめるのが理想です。長時間の脱水は、シワや折れ跡の原因になります。
もし水分が多く残っていても、バスタオルで軽く水気を取れば問題ありません。洗濯機で完全に水を飛ばそうとすると、かえって仕上がりが悪くなることがあるため、控えめに行うのがポイントです。
シワ・型崩れを防ぐ干し方
脱水後はできるだけ早く取り出し、ハンガーにかけて形を整えるのが重要です。洗濯槽の中に長時間放置すると、シワが定着しやすくなります。
干すときは以下の点に注意しましょう。
- 肩幅に合ったハンガーを使う
- 襟元・袖・裾の形を手で整える
- 風通しのよい日陰で干す
- 洗濯バサミは使用しない(跡がつくため)
ポリエステル素材は自然乾燥でも十分に早く乾くため、乾燥機は不要です。仕上げに軽くスチームを当てるとシワが伸び、コートのラインがきれいに出ます。これだけで、クリーニングに出さなくても上質な仕上がりを実現できます。
ポリエステルコートの仕上げと臭い・静電気対策
アイロン・スチームのかけ方
ポリエステル素材は速乾性が高く、シワになりにくいという特性がありますが、それでも洗濯後には軽いシワやヨレが出ることがあります。仕上げのポイントは、高温を避けながら丁寧に整えることです。
まずは、アイロンの温度を「低温〜中温(110〜140℃程度)」に設定します。高温にするとポリエステルが溶けたりテカリが出る可能性があるため注意しましょう。直接アイロンを当てるのではなく、当て布を使って優しくプレスするのがコツです。
さらに効果的なのがスチームアイロンです。コートをハンガーにかけた状態で、スチームを少し離れた距離から当てることで、生地に余計な負担をかけず自然なシルエットに仕上げることができます。
襟や袖など型をきちんと出したい部分は、手で軽く形を整えながらスチームを当てるときれいな仕上がりになります。全体にアイロンをかけすぎると素材が硬くなることもあるため、「必要な部分だけ」を意識するのも大切です。
臭いが残るときの対処法
ポリエステル素材のコートは、臭いが残りやすいという弱点があります。特に雨や汗、皮脂汚れが原因で洗濯後に「生乾き臭」や「こもった臭い」が残ることがあります。
まず、臭いを防ぐ基本は十分なすすぎとしっかりした乾燥です。すすぎが不十分だと洗剤カスが残り、それが雑菌の温床になってしまいます。乾燥も、風通しのよい場所で完全に乾かすことが大切です。
それでも臭いが気になる場合は、ぬるま湯に酸素系漂白剤を加えて再度軽く洗うか、重曹やクエン酸を加えたすすぎを試すと効果的です。さらに、乾燥時に除湿機や扇風機を併用すれば、湿気による臭い残りを防げます。
長期間の臭い対策には、収納時に防臭剤や消臭スプレーを使うのもおすすめです。
静電気を防ぐための工夫
ポリエステル素材は、静電気が発生しやすい素材の代表格です。特に冬場の乾燥シーズンには、脱ぐときに「パチッ」としたり、ホコリが付きやすくなったりといった悩みが増えます。
静電気を防ぐための基本は、柔軟剤を上手に使うことです。洗濯のすすぎの段階で柔軟剤を少量加えると、繊維の表面に薄い膜ができ、帯電しにくくなります。市販の静電気防止スプレーも効果的で、出かける前にさっと吹きかけるだけで静電気を軽減できます。
また、コートの内側に天然素材(コットンやウール)のインナーを着るのも有効です。化繊同士の摩擦が減ることで帯電しにくくなります。加湿器を使って部屋の湿度を40〜60%に保つことも、静電気対策として有効です。
自宅洗濯とクリーニングの使い分け
自宅で洗えるケースと限界
ポリエステル素材のコートは、比較的自宅で洗いやすい素材ですが、すべてのコートが洗えるわけではありません。
自宅洗濯が可能なケースとしては以下のようなものがあります。
- 洗濯表示タグに「手洗い可」または「洗濯機可」のマークがある
- 裏地や中綿がなく軽量なタイプ
- ボタン・飾りなどの装飾が少ないデザイン
一方で、自宅洗濯では落としきれない皮脂汚れの蓄積や、型崩れしやすい厚手のコートもあります。長く愛用したい大切なコートほど、限界を見極めておくことが重要です。
クリーニングに出したほうがいい場合
次のようなケースでは、無理をせずプロのクリーニングに出すのが安心です。
- ロング丈や厚手で乾きにくいコート
- ボア・中綿入り・ダウン入りのもの
- 装飾が多く、家庭での洗濯で破損のリスクがあるもの
- 汚れが蓄積し、黄ばみや臭いが取れにくいもの
クリーニングでは、素材を傷めずに専用の薬剤と設備で洗浄・仕上げを行うため、自宅洗いよりも高いクオリティで仕上げられます。特にお気に入りのコートや高価なものは、年に1〜2回クリーニングに出すと長持ちします。
長持ちさせるためのお手入れ習慣
洗濯だけでなく、日々のちょっとしたケアでポリエステルコートの寿命は大きく変わります。
- 着用後はすぐにクローゼットにしまわず、ハンガーにかけて風を通す
- 表面のホコリは、洋服ブラシや粘着ローラーで軽く落とす
- 汚れは放置せず、見つけたらその場で部分洗い
- シーズンオフにはきちんと洗ってから保管する
これらを習慣化することで、クリーニングの頻度を減らしつつ、清潔できれいな状態を保てます。
特にポリエステル素材は「放っておくと臭いがこもりやすい」ため、日常のメンテナンスが最も重要なポイントといえます。
コートは一度形が崩れると戻すのが大変ですが、適切な洗い方とお手入れで、長く美しい状態を保つことができます。
