ドロドロの多くは「振りすぎ」「水混入」「温度管理ミス」。
自動投入口は原液の粘度に厳しいため、濃縮タイプは希釈が安全です。
詰め替え容器は他社残りカス混合がトラブルの温床。買ったばかりで異常が続くなら、開封直後の写真・ロット控えを用意して交換へ。
本記事では季節別対策とよくある誤解もまとめ、1ページで原因→対策→防止まで完結させます。
- 柔軟剤がドロドロ・固まる・分離・糸引きになるのはなぜ?(買ったばかりでも起こる理由)
- 原因の全体像:混入・温度・保存・詰め替え・初期不良
- 混入が原因のドロドロ:買ったばかりで分離・糸引き
- 低温・凍結が原因のドロドロ:冬場・室温低下
- 高温・直射が原因のドロドロ:夏場・車内放置
- 詰め替えボトルが原因:混合・残りカス・洗浄不足
- ボトルの振りすぎ・エア混入:見かけ粘度の悪化
- 自動投入口・フィルター詰まり:出てこない/固まる
- その場でできる復活手順:ぬるま湯・希釈・攪拌
- 原因別リカバリー・フローチャート
- 使い方の最適化:自動投入口と原液粘度の設計
- 保存ルール:買ったばかり~開封後の置き場所
- 詰め替え完全マニュアル:混合・残渣を防ぐ
- メーカー問い合わせ・返品交換の判断基準
- 安全面とトラブル回避:肌・香害・過剰使用
- よくある質問(Q&A)と誤解の訂正
- 予防チェックリスト:再発させないために
- まとめ:柔軟剤ドロドロ問題の原因・対策・再発防止
柔軟剤がドロドロ・固まる・分離・糸引きになるのはなぜ?(買ったばかりでも起こる理由)
症状の見分け方(ドロドロ/固まる/分離/糸引きの違い)
- ドロドロ:とろみが過度に強く、ボトルから出にくい・糸を引きやすい状態。計量カップに落とすと“山”ができてゆっくり潰れる。
- 固まる:ゲル状の塊・粒状沈殿が見える。押すとぷるんと跳ね返る塊が混在し、投入口やフィルターを詰まらせる。
- 分離:上澄みがサラサラ、下層に濃い部分が沈む二層化。振ると一時的に混ざるがすぐ再分離。
- 糸引き:注ぐと細い糸状に伸びる。高粘度+微細な気泡で“見かけ粘度”が上がっているサイン。
→ 対処は原因別に異なるため、まず症状分類→原因仮説の順で切り分けるのが最短ルート。
買ったばかりでも起きる典型シナリオ
- 配送・店頭での温度ダメージ:冬の半凍結→再融解、夏の高温放置で乳化バランスが崩れ、分離・ドロドロに。
- 開封時の水混入:キャップの洗浄残り水や濡れた手で触れた微量の水が入り、凝集・ゲル化を誘発。
- 自動投入口の残渣影響:新ボトルでも、投入口に残っていた旧製品の残りカスや洗剤成分で相互作用→ドロドロ。
- 強い“振とう”で気泡混入:到着直後の激しく振る癖で微細気泡が入り、糸引き+見かけ粘度上昇。
- ロット差・初期不良:極少数だがロット由来の粘度異常・二相化が存在。開封直後から異常で、温度・混入要因が見当たらないときは要記録・要連絡。
濃縮タイプ特有の粘度上昇メカニズム
- 高濃度カチオン界面活性剤は、温度や混入イオン(硬度・塩素)でミセル構造が変化しやすく、粘度が急上昇。
- 剪断履歴(強い攪拌)や気泡保持で“見かけ粘度”が増し、糸引き・吐出不良に直結。
- 水少量混入は部分的な希釈ムラを生み、濃い相と薄い相ができて分離を助長。
- 時間依存性もあり、温度が戻ってもしばらく再均一化に静置時間が必要。焦って“振るほど悪化”に注意。
自動投入口×原液粘度の相性問題
- 多くの投入口は重力+毛細流で送り出す設計のため、高粘度原液は流れず滞留→乾固→詰まり。
- 濃縮タイプは規定量でも原液が濃すぎるケースあり。事前に希釈(例:1:1〜1:2)で粘度を落とすと流路・フィルター詰まりを予防。
- 投入口は毎回すすぎ乾燥が基本。残留水は混入源、残留柔軟剤は凝集核。運用の要は「乾湿の管理」。
- 出が悪い→更に振るのは逆効果。上下入れ替えの静かな攪拌と温度復帰が先。
原因の全体像:混入・温度・保存・詰め替え・初期不良
混入(キャップ内の水/水道水/洗剤の混ざり)
- 水滴一つでも、濃縮原液の局所希釈→凝集・ゲル化の引き金に。
- 硬度イオン・塩素は乳化バランスを崩し粒状沈殿を誘発。計量カップ・キャップは完全乾燥が必須。
- 洗剤成分(陰イオン)との相互作用でカチオンが失活・凝集。投入口やボトル口周りを濡らさない/混ぜないが鉄則。
温度差(低温・凍結/高温・直射日光)
- 低温・凍結:粘度上昇→半固化・糸引き。融解しても一時的に再分散しにくい。
- 高温・直射:成分の相分離・沈降。香料や溶媒の揮発で濃度が上がり、さらにドロドロ。
- 対策は温度の安定化(冷暗所・室温帯)と、異常時のぬるま湯温浴→静置→“振らない”攪拌。
保存環境(長期保管・高温多湿・日光)
- 窓際・洗面台周りは温度・湿度・光の三重悪条件。風呂場近傍は温冷サイクルで分離常習化。
- 長期保管は沈降・分離を招きやすい。定期の上下入れ替え(ゆっくり)で再均一化を維持。
詰め替えミス(他社混合・残りカス)
- 他社・他香りラインの混合は保護コロイド・粘度・電荷がズレて凝集。
- 残りカスは凝集核になり、新液を巻き込みゲル化。洗浄→完全乾燥→充填の順序を必ず守る。
- 詰め替えは湿り気ゼロの容器へ。ボトル壁の水膜が最大の敵。
買ったばかり=初期不良/ロット不具合
- 開封直後からドロドロ・分離・強い異臭など再現的な不良は初期不良・ロット差を疑う。
- ロット番号・製造日・購入店・症状写真/動画を記録。温度要因・混入要因が排除できた証拠を揃えれば交換・返金がスムーズ。
- 自力対処で悪化させる前に、メーカー問い合わせのフローへ移行する判断も重要。
混入が原因のドロドロ:買ったばかりで分離・糸引き
キャップや投入口に残った水の混入
買ったばかりでも、キャップや計量カップ、投入口の洗浄後の残り水が一滴でも入ると、濃縮原液の局所希釈が起き、カチオン系成分の凝集→ゲル化(ドロドロ)を招きます。注ぐ前に完全乾燥を徹底し、キャップは逆さ置きで水切り→布で拭き取り。注ぎ終わりの“口沿いの伝い水”も混入源なので、口周りを拭ってから締める運用に変えると再発が激減します。
水道水の硬度・塩素との相性
水道水の硬度イオン(Ca/Mg)や残留塩素は、柔軟剤の分散系を不安定化させ、粒状沈殿・二相分離を誘発します。計量や希釈に水を使う際は、沸騰→冷却で塩素を飛ばす/浄水器の利用が無難。硬度が高い地域は、希釈は最小限にし、どうしても薄める場合は段階的に少量ずつ混和してムラを作らないのがコツです。
洗剤(界面活性剤)との混合で凝集
洗剤(陰イオン)と柔軟剤(カチオン)は同時接触で中和・凝集しやすい組み合わせ。投入口に洗剤の残渣があると、充填直後からドロッと糸引きへ向かいます。洗剤→すすぎ→投入口乾燥→柔軟剤の順序を固定し、兼用カップの共用をやめる。どうしても同じカップを使うなら、中性洗剤で洗浄→熱めの湯でリンス→完全乾燥までを1セットに。
ボトルの口周り・計量カップの濡れ
注ぎ足し時の口周りの水膜が混入の温床。作業は乾いた平面上で行い、注いだらすぐ口元を拭く→キャップを閉める→横倒しはしない。計量カップは水切り後に立て置き乾燥、保管は密閉収納で湿気の再付着を防ぎます。
低温・凍結が原因のドロドロ:冬場・室温低下
冬の低温で粘度上昇・ゲル化しやすい理由
冬場は原液の粘度が指数関数的に上がるため、見かけ上のドロドロ・糸引きが顕著になります。とくに玄関・洗面所など外気に近い場所では、夜間に臨界温度を跨いで相挙動が変わることがあり、半ゲル化→再分散困難に。保管は生活空間の室温帯(15〜25℃目安)に寄せるのが第一歩。
凍結・半凍結後の分離と粒状化
配送や屋外放置で半凍結→融解を繰り返すと、粒状沈殿や上澄み分離が発生します。無理に振ると粒子が凝集塊に成長し、復活が難しくなることも。対処はぬるま湯(約40℃)で外側から温浴→静置→上下入れ替え攪拌(振らない)。一度で戻らなければ時間を置いてもう一度が鉄則です。
玄関・洗面所など低温保管の落とし穴
外壁側・窓際・床置きは温度変動が大きく、夜間に下がり朝に上がるサイクルで分離習慣化。棚の中段以降(床面から離す)、かつ内壁側に置くと温度が安定します。ボトル直置き→プラトレー置きへ変えるだけでも底冷えが緩和します。
配送・屋外放置による温度ダメージ
冬の置き配・車内放置は要注意。受け取り後はすぐに室温へ、状態が怪しければすぐ温浴→静置で早期ケア。未開封でも劣化は進むため、「買ったばかり」でも温度履歴を疑う目を持ちましょう。
高温・直射が原因のドロドロ:夏場・車内放置
直射日光・高温で成分が分離・沈殿
夏は香料溶媒の揮発や乳化の崩れで二相化・沈降が起こり、上澄みが薄く、下層がドロドロに。窓際・ベランダ近くは日射と温度波形が大きいためNG。冷暗所こそ最強の対策です。
車内放置・窓際保管での粘度上昇
車内は60℃超に達することがあり、買ったばかりの帰路でも短時間で劣化することがあります。寄り道の際は車内置きっぱなし回避、家では直射の入らない戸棚が定位置。高温既往がある場合は、状態チェック→必要なら希釈・温浴で様子を見ます。
開封後の高温多湿×揮発の影響
開封後は溶媒の揮発が進み、相対濃度が上がって粘度↑。夏はキャップの開閉時間を短くし、注いだら即時密閉。注ぐ回数を減らすため、一回分を小分け容器に移す運用も有効です。
夏場の保管場所・ボトル材質の注意点
浴室近くの温冷サイクルは避け、断熱性のある戸棚を利用。ボトルは直射に晒さない半透明・不透明タイプが無難。薄肉ボトルは熱で歪み→漏れ→混入を増やすので要注意です。
詰め替えボトルが原因:混合・残りカス・洗浄不足
他社・他製品の混合で凝集が起きる仕組み
製品ごとに粘度設計・電荷バランスが異なるため、他社・他香りラインを混ぜると凝集しやすい。残った旧液が核になり、新液が巻き込まれてゲル化します。“混ぜない・足さない・都度洗う”が鉄則。
ボトル内の残りカス・沈殿との反応
底の薄い沈殿・膜状残渣が見落とされがち。ぬるま湯でボトルを満たし→振らずに回し洗い→排水→自然乾燥で物理的に除去します。ポンプ部の逆止弁にも残渣が溜まりやすいので、分解→浸漬洗浄まで行うと再発率が激減。
ボトル・ポンプの洗浄手順と乾燥不足
洗浄後の乾燥不足=水混入です。ボトルは口を下にして水切り→風通しの良い場所で半日以上。ポンプは押し切って内部の水を追い出す→ティッシュで水分吸い上げ。完全乾燥後に充填を徹底します。
詰め替えの順序・希釈のタイミング
洗浄→乾燥→(必要なら)希釈液を別容器で作成→ボトルへ充填。ボトル内での直接希釈はムラや局所凝集の原因。希釈は少量ずつ加えながら静かに攪拌し、気泡を抱かせないことがポイントです。
ボトルの振りすぎ・エア混入:見かけ粘度の悪化
強い振とうで気泡→見かけ粘度上昇
激しく振ると微細気泡が無数に入り、糸引き・ドロドロ化が進みます。泡は界面で粘弾性を持つため、注出抵抗が増大。復活手順の前に“振らない”を身体に覚えさせましょう。
“振らずに攪拌”の正しい方法(上下入れ替え)
ボトルをゆっくり倒立→また戻すを数回繰り返し、上下を入れ替えるだけで再分散を促します。テーブルに置いたまま円を描くように回すのも有効。剪断を与えず均質化するのが目的です。
静置時間と気泡抜きの目安
作業の合間に10〜30分の静置を挟むと、気泡は自壊し、粘度が下がります。温度を室温〜やや温かめに整えてから静置すると、より早く落ち着きます。
泡立ちやすい濃縮タイプの扱い
濃縮タイプは泡保持力が高いため、移し替えや希釈は細く静かに注ぐ。細口じょうごやピッチャーを使い、落差で泡を作らない工夫を。広口容器で表面積を稼ぎ、気泡抜き時間を短縮するのもテクニックです。
自動投入口・フィルター詰まり:出てこない/固まる
柔軟剤投入口での詰まりの仕組み
投入口は狭い流路+フィルターで構成され、高粘度・気泡・微小凝集塊があると滞留→乾固します。一度乾いた塊は流水では崩れにくいため、分解洗浄が前提になります。
フィルター・通路の分解清掃手順
取り外せる部品はすべて外し、ぬるま湯に浸漬→柔らかいブラシで優しく洗浄。爪部を破損しないよう注意。細管は綿棒・パイプブラシを使い、最後によく乾燥。再装着時の向きを間違えると漏れや再詰まりの原因です。
原液粘度が高い場合の希釈比目安
1:1〜1:2(柔軟剤:水)が一般的な目安。はじめは1:0.5から試し、流動性の回復と香りの出方を見ながら調整します。希釈水は塩素・硬度の影響を減らした水を使用し、別容器で作ってから投入。
定期メンテ頻度と洗濯機ごとの癖
月1回の分解洗浄を基本に、夏場や高頻度使用は2週間に1回へ。機種によって流路断面・フィルター目が異なり、濃縮タイプに弱い設計もあります。症状が続く場合は、手投与(すすぎ開始サインで投入)への切り替えも検討しましょう。
その場でできる復活手順:ぬるま湯・希釈・攪拌
ぬるま湯(約40℃)で外側から温める手順
洗面器に約40℃のぬるま湯を張り、ボトルをキャップを締めたまま浸けて10〜20分。直火・熱湯は不可。温浴後はタオルで水分を拭き取り、倒立↔正立でゆっくり上下入れ替えます。
希釈(1:1~1:2)で流動性を回復
別容器に柔軟剤を移し、1:1→必要に応じて1:2まで段階希釈。少量ずつ水を追加→静かに攪拌し、ムラを作らない。香りの強さと流動性の折り合いを見ながら調整します。
“振らない”攪拌(上下入れ替え・転倒法)
激しく振らず、容器をゆっくり回転・転倒させて均質化。気泡を抱かせないのが最大のポイント。攪拌後は10分静置→気泡抜きを入れると安定します。
別容器へ一時移し替え→再充填
元ボトル内での作業は泡・ムラの温床。広口の一時容器で希釈・攪拌→気泡抜き→じょうごで静かに再充填の流れが失敗しません。投入口に直接入れないのも重要(詰まりの再発防止)。
原因別リカバリー・フローチャート
低温・凍結→温浴→静置→攪拌
温浴(40℃)→拭き取り→10分静置→上下入れ替え。改善が不十分なら希釈1:0.5→1:1と段階的に緩めます。
混入・分離→希釈→攪拌→再充填
原因が混入・分離なら、別容器で希釈し静かに攪拌。気泡抜き→再充填で投入口詰まりを回避。計量具は完全乾燥が必須。
高温・直射→冷暗所静置→攪拌→様子見
冷暗所で温度安定→上下入れ替え。必要に応じて軽希釈。香りの飛びや変質が強い場合はメーカー判断に切り替え。
投入口詰まり→清掃→希釈→再運用
分解洗浄→完全乾燥ののち、希釈した柔軟剤で再運用。月1の定期清掃をスケジュール化し、詰まりの予兆(出が悪い)で即メンテに移行します。
使い方の最適化:自動投入口と原液粘度の設計
自動投入口での推奨濃度・希釈比
自動投入口は「重力+毛細流」で原液を送り出すため、高粘度(濃縮)原液は流れにくいのが構造上の弱点です。ドロドロ化や残留が出る場合は、柔軟剤:水=1:0.5~1:2の範囲で段階希釈して最小限で済む比率を見つけます。はじめは1:0.5(やや濃い)→1:1→1:1.5の順に試し、流動性(注ぎ落ちの速さ)と香りの残り方のバランスを確認。希釈水は常温~ぬるま湯・塩素/硬度影響の少ない水を用い、別容器で作ってから投入することで局所ゲル化を防ぎます。
投入前に温度と粘度を整える段取り
冬場や冷えた室内では原液が温度依存で粘度↑。投入前にボトル外側をぬるま湯(約40℃)で短時間温浴→拭き取り→上下入れ替え攪拌(振らない)で流動性を回復させます。詰める直前にノズル口周りの水分ゼロを確認し、計量具は完全乾燥。この“温度整え→水分ゼロ→静かに流す”の3ステップが、糸引き・分離・詰まりの初期トラブルをほぼ潰します。
毎回の投入口リンス・乾燥のコツ
使用後は投入口・フィルター・通路をぬるま湯でリンスし、水切り→風通しのよい場所で完全乾燥。乾かし方は部品を立て置きし、溝に水が残らない向きに。残留水は“次回の混入水”、残留柔軟剤は“次回の凝集核”になります。月1回は分解洗浄、夏場や高頻度なら2週間に1回を目安にルーティン化すると安定します。
濃縮タイプの使い分け(手投与との比較)
濃縮タイプ×自動投入口は香り・節約面で有利な一方、粘度・分離・詰まりのハードルが上がります。トラブルが続く機種では、すすぎ開始アラームに合わせた“手投与”へ切り替えるとリスクが激減。手投与時は原液濃度のまま少量で効果が出やすく、香り過多(香害)も抑制しやすいです。運用は、日常=自動投入口(薄希釈)/タオル大量洗い=手投与(原液少量)など、洗濯負荷でモード分けが合理的です。
保存ルール:買ったばかり~開封後の置き場所
未開封の適正保存(温度・光・姿勢)
未開封でも温度履歴で劣化します。直射日光×/高温×/凍結×、15~25℃の冷暗所が基本。横倒し保管は避け、立て置きでキャップ・パッキン劣化と液もれ→乾固を防止。購入直後に車内放置は厳禁、帰宅したら即・屋内へ。
開封後の冷暗所・温度安定の確保
開封後は溶媒の揮発→相対濃度↑で粘度が上がりやすくなります。温度変動の少ない戸棚に保管し、窓際・浴室近く・外壁側は避ける。床直置き→トレー置きに変えるだけでも底冷えを避けられます。開閉時間は短く、注いだら即密閉を徹底。
ボトルのキャップ清潔・乾燥管理
計量カップやキャップの濡れは“混入水”の最有力候補。使用後にぬるま湯でリンス→水切り→布で拭き→立て置き乾燥の完全乾燥サイクルを毎回回します。口周りの拭き取りを習慣化し、伝い水を根絶します。
使用期限・開封後日数の目安
製品や香り設計で差はありますが、開封後3~6か月を目安に使い切るのが無難。長期放置→沈降・分離が増えるため、上下入れ替え(静かな攪拌)を月1で。香りの変質・異臭を感じたら使用を中止し、状態を記録のうえ対応方針を見直します。
詰め替え完全マニュアル:混合・残渣を防ぐ
ボトル洗浄→完全乾燥→充填の順序
- ぬるま湯で満たして回し洗い(振らない)
- 排水→逆さ置きで水切り→風通しで完全乾燥
- 必要ならポンプ・ノズルも分解→浸漬洗浄→乾燥
- 別容器で希釈液を作成(必要時)→広口じょうごで静かに充填
この順番を崩さないことで、水混入・局所凝集・気泡抱きの三大トラブルを回避できます。
他社・他香りの混合回避ルール
他社/他シリーズの混合は不可が原則。粘度・電荷・香料溶媒の設計が異なり、凝集核になりやすいです。どうしても混ぜる場合でも同一ロット・同一仕様が前提。残量が少ないときは使い切ってから詰め替えましょう。
残量ゼロ確認と沈殿除去のポイント
底部やノズル周りの薄膜・ヌメリは見落としがち。光にかざして角度を変え、膜・粒の残りを確認。見つけたらぬるま湯→回し洗いで物理的に除去。ポンプ逆止弁の溝にも堆積しやすいため、綿棒・パイプブラシで優しく除去します。
詰め替え時の水滴・湿気対策
水滴=局所希釈→ゲル化の直因。キッチンペーパーで内壁を拭い、15~30分の自然乾燥を入れてから充填。梅雨~夏は湿度で乾きにくいので、エアコン下・送風で乾燥を補助します。
メーカー問い合わせ・返品交換の判断基準
初期不良・ロット不良の可能性チェック
開封直後からの強い分離・ゲル塊・異臭、温度や混入要因を排除しても改善しない場合は初期不良/ロット不良を疑います。無理な攪拌や過度希釈で悪化させる前に、現状維持で証跡を残すのが賢明です。
症状・ロット・購入日時の記録方法
ボトル背面のロット番号・製造日、購入レシート、症状の静止画/動画(上澄み/沈殿/糸引きの状態が分かる)を保存。保管環境(温度・場所)や対処手順の履歴もメモしておくと、メーカー側の判断が早まります。
写真・動画での症状共有ポイント
薄い背景で液面をコントラストさせ、ライト斜光で粒・糸引きを可視化。振る前・温浴前の状態を必ず残し、希釈後は別撮りで時系列を示します。
交換・返金の交渉フロー
問い合わせ窓口→症状・ロット提出→指示に沿った確認→交換/返金が基本。改善に向けた試行(温浴、静置、希釈など)を行った場合は具体の条件(温度・時間・比率)も伝えると、判断がスムーズです。
安全面とトラブル回避:肌・香害・過剰使用
濃度過多による肌トラブルの注意
濃度過多は肌刺激・残留の原因。規定量以内を守り、敏感肌・乳幼児衣類は薄め設定で運用。ドロドロ対処の希釈が必要な場合でも、必要最小限を心がけます。
香り強すぎ(香害)を避ける使い方
複数製品の重ね使い(柔軟剤+ビーズ+香り洗剤)は香害の温床。一つに絞り、量を微調整。室内干しで香りがこもる場合は量をさらに減らすか無香タイプの併用が得策です。
柔軟剤と洗剤の適正バランス
洗剤過多→すすぎ残り、柔軟剤過多→繊維コーティング過多で吸水低下・ベタつきが起きます。洗剤は規定量、柔軟剤は最小有効量を原則に、タオルの吸水テストで都度見直します。
子ども・敏感肌での運用指針
無香/微香・低刺激設計を優先。新しい希釈比に切り替える際は小ロットの洗濯物でパッチ運用し、肌の変化を確認。違和感があれば即中止→水のみすすぎでリセットします。
よくある質問(Q&A)と誤解の訂正
「買ったばかりでドロドロ=全部不良?」の誤解
温度履歴・混入・投入口残渣で新品でもドロドロは起こり得ます。初期不良は開封直後から一貫して異常が続くケース。切り分け→記録で見極めましょう。
「振れば直る?」に対する正しい対処
激しく振る=気泡抱き→見かけ粘度↑で悪化します。温浴→静置→上下入れ替え攪拌が正解。“振らない”が鉄則です。
「希釈すれば必ずOK?」の限界
希釈で回復しない分離や異臭は、成分劣化・ロット不良の可能性。無理に使用せずメーカー判断に切り替えを。
「分離=危険?」成分と安全性の目安
分離=即危険ではありませんが、使用感・香りの異常や沈殿塊が続くなら衣類や機器への悪影響が出ます。清掃・希釈・温度整えで改善しない場合は使用中止を。
予防チェックリスト:再発させないために
開封~充填までの乾湿・清潔チェック
- 計量具・キャップ:完全乾燥
- ボトル口周り:拭き取り
- 投入口:洗浄→乾燥(残渣ゼロ)
季節別(冬・夏)の温度管理チェック
- 冬:温浴で流動性回復→投入
- 夏:直射×・車内放置×・短時間開閉
詰め替え容器・自動投入口の点検
- 月1分解洗浄(夏は2週に1回)
- フィルター・細管の詰まり/ぬめりゼロ
希釈比・攪拌・静置の運用テンプレ
- 希釈は別容器で段階、攪拌は振らない
- 10~30分静置で気泡抜き→静かに充填
まとめ:柔軟剤ドロドロ問題の原因・対策・再発防止
原因は混入・温度・保存・詰め替え・初期不良に集約
「買ったばかり」でも、混入水・温度履歴・残渣混合で簡単にドロドロ化します。構造的要因を先に潰すのが近道。
ぬるま湯・希釈・攪拌でほぼ復活可能
温浴(約40℃)→段階希釈→“振らない”攪拌→静置のプロトコルで、多くは流動性が回復します。
自動投入口は粘度設計と清掃が鍵
薄希釈+毎回リンス+完全乾燥で詰まり・残留を予防。難しい機種は手投与併用が合理的。
買ったばかりで改善しない→メーカー対応へ
ロット・購入情報・症状の可視化を揃え、初期不良ルートへ。自己流で悪化させる前に判断を切り替えましょう。